日本一のお茶処「静岡県」には本山茶や掛川茶、川根茶など全国にファンが多い銘茶があります。
2市6町にまたがる日本一の大茶園「牧之原台地」をはじめ、静岡県内には個性的な緑茶(日本茶)の産地が広がります。
静岡県でお茶栽培が拡大したのは明治維新の頃、徳川藩士たちが牧之原台地を開拓し大規模な茶園を作ったことがきっかけとされています。
「静岡県で有名な緑茶(日本茶)産地と銘茶」のページでは、静岡県内で有名なお茶産地とそこで作られる銘茶をご紹介します。
川根茶
南アルプスの険しい山岳地帯を流れる一級水系「大井川」の上流域でつくられる川根茶。
恵まれた土壌で育つ川根茶は、昼夜の寒暖差と朝夕の川露により香りと味がしなやかであることが特徴です。川根茶の歴史は古く400年以上前から生産していたと言われています。
また、寛政元年(1789年)には煎茶を販売していたという記録も残っているほど歴史のある川根茶。
川根茶で有名な銘茶は、つちや農園の「天空の風」や丹野園の「川根茶」などがあげられます。
掛川茶
お茶の苦味をおさえる深蒸し製法発祥の地のひとつとして有名な掛川茶。
掛川茶は、気候が温暖でかつて肉厚な葉が育つため苦味が強いお茶であることが難点とされていました。難点を克服するために深蒸し製法を開発したあと、苦味を抑えたまろやかな味わいの深蒸し煎茶を生産するお茶の一大産地となりました。
掛川茶の代表的な銘茶ブランドは、掛川一風堂の「大雪」や佐々木製茶の「かごよせ」などがあげられます。
天竜茶
手摘みの新芽だけを使い普通蒸し煎茶をつくる天竜茶。
古くから高級茶の産地として知られる天竜茶は浜松市の天竜川周辺で作られます。傾斜地で栽培される天竜茶は、山間地ならではの爽やかな香りと味が特徴的です。
天竜茶の代表的な銘茶ブランドは、カネタ太田園の「山育ちのお茶」があげられます。
本山茶
江戸時代に徳川御用達にもなった香りが豊かな本山茶。
元祖静岡茶と言われる本山茶は、静岡県中部を流れる安倍川と支流一体にまたがる山間部で作られるお茶です。かすかな渋味の後、爽やかな香りが口中に広がるのが味の特徴。
古くからお茶の産地として有名で、鎌倉時代に静岡県ではじめてお茶が栽培された産地としても知られています。
本山茶の代表的な銘茶ブランドは、JA静岡市茶業センターの「安倍川緑」があげれれます。
清水のお茶
明治時代に海外へ輸出されていた東海道の名物茶、清水のお茶。
清水のお茶は南北に広がる生産地でそれぞれ香りや味に違いがあります。そんな清水のお茶の中でも両河内と呼ばれる興津川上流の山間部は、静岡県でも有数の銘茶どころとして知られています。
その他の地域でも、共通して張のような形状の茶葉と黄金色の水色が特徴的な煎茶をメインに生産している清水のお茶。
清水のお茶の代表的な銘茶ブランドは、JAしみず茶業センターの「幸せのお茶 まちこ」があげられます。
朝比奈玉露
ミネラルたっぷり!香りの良い玉露が特徴的な朝比奈玉露。
静岡県中部の藤枝市岡部町で生産される朝比奈玉露。玉露は茶摘み前の約20日間、葉に日光を当てないよう覆いをかぶすのですが朝比奈玉露はコモ(菰)と呼ばれる藁で茶園を覆うのが昔ながらの製法が特徴的。
藁で覆われた葉は、藁に含まれるミネラルが豊富で香りのよい玉露を育てます。
遠州森の茶
コクのある深蒸し煎茶が全国で人気の遠州森の茶
静岡県北西部で古くから交易の街として栄えた遠州の小京都森町で作られる遠州森の茶。山間部に位置する森町は一年中気候が穏やかで日照時間が長いためコクのある深蒸し煎茶を生産します。
遠州森の茶として有名な銘茶ブランドは、鈴木長十商店の「森の粋」があげられます。