番茶はさっぱりとしてクセがなく食後のお茶に最適な緑茶(日本茶)
番茶は日本各地で摘採期や品質、製法が異なるため定義をするのが難しいお茶の種類です。日本の各地域で共通しているのは、煎茶よりも旨味や甘味が少なく低価格で買い求めることができる点。
そのため一年を通して日常的なお茶として飲むのに適しているほか、冬には熱々のお湯でさっと入れお湯が冷めにくい筒茶碗でいただくと体が温まります!
番茶の特徴のページでは、番茶の由来や代表的な地方番茶をご紹介します。
番茶の由来
三番茶・四番茶といった遅く摘むという意味の「晩茶」が変化して番茶と呼ばれるようになったという説
番茶は一般的に茶摘み時期が遅い硬い葉や古い葉をつかって作られるお茶です。
緑茶(日本茶)の茶葉は、収穫時期が早いものから品質が高く、遅くなるほど品質が下がり、一番早く収穫するお茶を一番茶、一番茶を摘み取ってから約50日後に二番茶、三番茶と続きます。
番茶の由来は、三番茶、四番茶といった遅く摘み取るお茶という意味の「晩茶」が番茶に変化した説。1番茶と2番茶の間で摘み取る番外のお茶から番茶と呼ばれた説など番茶の由来には複数の説があります。
番茶に複数の由来がある理由は、地方によって番茶と呼ばれるお茶の種類(製法)がことなるため、どの由来も地域ごとに正しいものであるのではないでしょうか。
代表的な地方番茶
焙煎、日干し(日陰干し)、微生物発酵、茶筅で立てるといった地方文化として根付いた個性的な番茶をご紹介
京番茶
京番茶は煎茶や玉露を摘採した後に残る芽葉を焙煎してつくる焙煎香の強いお茶です。京番茶と同じように焙煎して作られる炒り番茶には、釜炒り番茶(九州地方)や瓶炒りのはんず茶、焼き茶(茶葉を直接火で炙る)などもあります。
美作番茶
岡山県でつくられる美作番茶は茶樹を枝ごと刈り、煮てからむしろの上で煮汁をかけながら日干しをするお茶です。美作番茶と同じように日干しして作られる日干番茶(陰干し番茶)には愛知県の足助寒茶などもあります。
阿波番茶
徳島県でつくられる阿波番茶は茶葉を乳酸発酵させて作る番茶。わずかに感じる乳酸発酵の香りが特徴的なお茶です。阿波番茶と同じようにお茶の酵素ではなく乳酸菌や麹菌などの微生物から発酵させて作る後発酵茶には高知県の碁石茶(ごいしちゃ)や愛媛県の石鎚黒茶(いしずちくろちゃ)などがあります。
バタバタ茶、ボテボテ茶、ブクブク茶、ボテ茶
抹茶のように茶筅で泡立てて飲むお茶の総称を振り茶と言います。富山県のバタバタ茶は祝い事や法事で、徳島県のボテボテ茶は様々な具材をいれて、沖縄県のブクブク茶は赤飯を入れてといった様に地方には個性豊かな振り茶があります。